関西と九州を結ぶ長距離フェリー「さんふらわあ」。 寝ている間に目的地に到着し、移動そのものが「旅」になる船旅は、飛行機や新幹線にはない大きな魅力があります。
しかし、予約する前にどうしても気になってしまうのが…… 「フェリーって、やっぱり揺れるの? 船酔いしないか心配……」 という点ではないでしょうか?とくにお子さんのいるところでは、お子さんが船酔いで楽しめないのではないかといったことも心配だと思います。
実は私も、バスでもスマホを見ただけで酔う、船では少しの波でダウンしてしまうという生粋の「乗り物酔い体質」。 でも、船旅には憧れがあって大型客船に乗りたい反面、「もし一晩中気持ち悪かったらどうしよう」「逃げ場がない海の上でダウンしたら地獄だ」という不安でいっぱいでした。
しかし結論から言うと、事前の対策をしっかり行うことで、船酔いすることなく、むしろ「帰りもまた乗りたい!」と思うほど最高の船旅を楽しむことができました!
この記事では、新造船になって初めて私が「さんふらわあ(大阪〜別府航路)」に乗船したときの様子について、
- 当日の揺れ具合のリアルな感想
- 瀬戸内海航路と太平洋航路の揺れの違い
- 実際に効果があった「鉄壁の船酔い対策」
- 船酔いの不安を忘れる船内の楽しみ方
を余すことなくレポートします。これから九州へ船旅を計画している方、酔いが心配で迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
【結論】さんふらわあは揺れる?船酔いしやすい筆者の体験談

まず、皆さんが一番知りたい「結局、揺れるの? 酔うの?」という点について、私の体験談をお話しします。
今回乗船したのは「大阪⇔別府」航路
今回私が利用したのは、大阪南港と大分県の別府観光港を結ぶ航路です。最新鋭の船(くれない/むらさき)が就航しており、非常に人気のあるルートです。 (※ちなみに私が初めて修学旅行で乗ったとき(30年位前)のさんふらわあは、今の新建造ではなく二世代前くらいのやつで年期も入ってたように覚えています。)
当日の天気は「晴れ時々曇り」。風はそこまで強くありませんでしたが、沖に出ればそれなりに波はある状況でした。
そして私が泊まったのはプライベートベッド(一般的に言うところの「ツーリスト」)で、いわゆる二段式ベッドのある客室です。昔であればいわゆる「雑魚寝」の部屋に通された場合、エンジンの真上に位置する場所にあったので、乗り物酔いがしやすい環境にあったことは間違いありません。
しかし新造船になってからは、いわゆる雑魚寝部屋がなくなって、それぞれに布団付きのベッドのあるブースが用意されているので、その点でも船酔いはしにくくなったといえるでしょう。
実際に感じた「揺れ」のリアル
出港してすぐ、大阪湾内にいる間は「本当に動いているの?」と思うほど静かでした。しかし、外洋に近づくにつれて、全く揺れないかと言われれば嘘になります。
感じたのは、ガクンガクンという激しい揺れではなく、「ゆ〜ら、ゆ〜ら」という非常にゆっくりとした穏やかな揺れ方です。 歩いていると、たまに「おっと」と足元が少しふらつく程度。立っていられないような揺れではありません。
私の場合、この独特の浮遊感に最初は少しドキッとしましたが、後述する対策をしていたおかげか、不思議と「気持ち悪い」という感覚にはなりませんでした。むしろ、ゆりかごに乗っているような心地よさで、普段よりぐっすり眠れたほどです。
要注意!「志布志(鹿児島)航路」との違い
ここで一つ、非常に重要なポイントをお伝えします。 「さんふらわあ」の九州行きには、大きく分けて2つのルートがあります。
- 瀬戸内海を通るルート(大阪⇔別府、神戸⇔大分)
- 太平洋を通るルート(大阪⇔志布志/鹿児島)
私が乗った1. 瀬戸内海ルートは、四国と本州に挟まれているため、基本的に波が穏やかです。「湖のよう」と表現されることもあり、船酔いしやすい方やフェリー初心者にはこちらが断然おすすめ。
一方、2. 太平洋ルート(志布志行き)は、外洋に出るため、瀬戸内海ルートに比べると揺れやすい傾向にあります。もし鹿児島行きを検討していて、船酔いが極度に心配な方は、当日の波の高さ予報を入念にチェックするか、あえて別府・大分航路を選んで九州内を陸路で移動するのも一つの手です。
これで安心!乗船前に準備した「徹底的な船酔い対策」

「絶対に酔いたくない!」という執念のもと、私が実践して効果を感じた対策を3つ紹介します。これは精神安定剤としても非常に有効でした。
1. まず酔いにくい「客室(部屋)」を選ぶ
船酔い対策は、予約の段階から勝負が始まっています。船酔い対策において部屋選びは最重要項目です。
- 船の中央部分を選ぶ: 船は「先端」と「後方」が最も揺れます。また、「上の階」に行けば行くほど揺れ幅が大きくなります。つまり、「なるべく下層階の、船の中央付近」が一番揺れにくい特等席です。
- 個室を確保する: 大部屋(ツーリスト)はリーズナブルですが、他人の視線や気配が気になり、具合が悪くなった時に逃げ場がありません。「プライベートベッド」や「個室」であれば、誰にも気兼ねなく横になれます。「しんどいな」と思った瞬間にすぐ横になれる環境は、船酔い回避に絶大な効果があります。(※さんふらわあの新造船には、大部屋は用意されていません。)
つまり、できるだけいい客室を取ることができれば船酔いを回避できる可能性が高くなるといえます。ただ、今の新しい船舶においては、そこまで揺れの度合いに大きな差はなくなったと思いますので、どの客室でも問題なく過ごせるように思います。
2. 酔い止め薬は「乗船30分前」が鉄則
その前にまず知っておいてほしいのは、さんふらわあでは船内で酔い止めの薬は売っていませんので要注意です。さんふらわあのHPにはこのような注意書きがあります。
フェリーさんふらわあの船内および乗り場のショップでは、薬事法改正により、乗り物酔い止めのお薬を含む医薬品を販売することができません。また、船内には、医師・医療設備は備え付けておりません。
誠に恐れ入りますが、あらかじめご自身でお薬をご用意くださいますよう、お願いいたします。
つまり船内で調達しようとしても酔い止め薬は売っていないので、乗船するときに一緒に持って乗らないといけません。
また用意していたとしても「気持ち悪くなってから飲もう」では遅いです。薬の効き目が表れるのにどうしても時間がかかるからです。気になる人は乗船手続きが終わり、船に乗り込む30分前(出港の約1時間前)に服用することをおススメします。
一番いいのは、ドラッグストアで買える一般的な乗り物酔い止め薬(アネロンなど、持続時間が長いタイプがおすすめ)です。 「薬を飲んでいるから大丈夫」というプラシーボ効果(自己暗示)も含めて、薬はいざというときの最強の味方です。翌朝の到着まで効果が続くタイプを選べば、安心して朝食バイキングも楽しめます。
3. 食事や船内での過ごし方のコツ
船酔いを避けるには、船内での過ごし方にも気を配る必要があります。
- 空腹すぎず、満腹すぎず: 空腹は酔いを誘発しますが、食べ過ぎも胃に負担をかけます。乗船してからの食事は、なるべく消化の良いものを食べるようにしましょう。またお酒も船酔いを誘発する恐れがありますので、飲酒はほどほどにしましょう。
- スマホを見続けない: これが一番危険です。船内にはWi-Fiがありますが、揺れている船内で小さな画面を凝視するのは危険行為。せっかくの船旅なので、スマホは置いて景色や会話を楽しみましょう。
- 締め付けない服装で: ウエストがきつい服はNG。乗船したらすぐに部屋備え付けのナイトウェアや、持参したジャージに着替えてリラックスモードに入りました。
船酔いの不安を忘れるほど快適!船内の楽しみ方レポート

対策を万全にしたおかげで、体調は万全。ここからは、船酔いの不安なんて吹き飛んでしまった「さんふらわあ」の素晴らしい船内設備を紹介します。
まるでホテル!海を見ながら入れる「展望大浴場」
「船にお風呂?」と思うかもしれませんが、さんふらわあには広々とした大浴場があります。 湯船に浸かりながら、丸窓から真っ暗な海や、遠くに見える街の明かりを眺める体験は格別です。
お湯が船の揺れに合わせてザブーン、ザブーンと波打つのが面白く、「あ、今海の上にいるんだな」と実感できます。お風呂上がりに自販機で買った冷たい飲み物を飲みながら、ロビーでくつろぐ時間は至福でした。
種類豊富で美味しい!「バイキング」の実食レポ
船旅のハイライトといえば食事です。さんふらわあのレストランはバイキング形式(夕食・朝食)。 「フェリーの食事なんて、レトルトっぽいんじゃないの?」と侮ってはいけません。
- ご当地グルメが充実: 私が乗った別府航路では、大分名物の「とり天」や、お刺身をタレに漬け込んだ「りゅうきゅう」が食べ放題!
- チョコレートファウンテン: デザートも充実しており、子供たちが喜んでいました。
- お酒も飲める: 生ビールやハイボールも販売しています(※飲み過ぎは船酔いのもとなのでほどほどに)。
窓際の席を確保し、流れゆく夜景を見ながら食べる食事は、高級レストランにも負けない雰囲気でした。

夜風が気持ちいい「デッキ」からの眺め
船酔いしそうになったら、外の空気を吸うのが一番です。 デッキに出ると、潮風が頬を撫でて最高に気持ちいい! 特に「明石海峡大橋」「瀬戸大橋」「来島海峡大橋」の下を通過するタイミングは、乗客みんながデッキに出てライトアップされた橋を見上げます。
橋の真下を通過する迫力は、船旅でしか味わえない感動体験。この景色を見ている間は、自分が酔いやすい体質であることなんて完全に忘れていました。
無料で楽しめるさまざまなイベント
そしてさんふらわあでは、ミニコンサートやプロジェクションマッピングなど、さまざまな楽しいイベントが毎日行われていますので、船内で退屈することがありません。
詳しいイベント内容は、公式HPにイベントカレンダーで掲載されていますので、自分が乗船するときにどういったイベントがあるかチェックしておきましょう。

さんふらわあにこれから乗る人へのアドバイスと注意点

最後に、これからさんふらわあに乗船して九州へ向かう皆さんがより快適に過ごすための、ちょっとしたアドバイスをまとめます。
持っていって良かった便利グッズ
- 耳栓: 船室の壁はホテルほど厚くありません。また、エンジンの「ゴーッ」という重低音や振動音が気になることも。敏感な方は耳栓があると熟睡度が変わります。
- サンダル: 船内を歩き回る際、いちいち靴を履くのは面倒です。スリッパ備え付けの等級もありますが、100円ショップのもので良いので持参すると大浴場や売店への移動が楽になります。
- 羽織るもの: 海の上は夏でも夜風が冷たいことがあります。デッキに出るなら、カーディガンやウインドブレーカーが一枚あると安心です。
Wi-Fi事情と電波について
さんふらわあの船内案内には「船内Wi-Fiあり」と書かれていますが、過度な期待は禁物です。 利用者が多い時間は繋がりにくく、また陸地から離れると圏外になるタイミングもあります。
船酔い対策として動画配信サービス(NetflixやAmazonプライムなど)を見たい場合は、必ず自宅で端末にダウンロードしてから乗船することを強くおすすめします。オフラインで映画を一本見終わる頃には、もう消灯時間になっていますよ。
まとめ:対策さえすれば「さんふらわあ」は最高の移動手段!
「船酔い」というキーワードで検索してこの記事にたどり着いたあなたは、きっと不安でいっぱいだったと思います。
でも、以下の3点を守れば、恐れることはありません。
- 揺れの少ない「瀬戸内海航路(別府・大分)」を選ぶ
- 個室を選び、乗船前に酔い止めを飲む
- スマホを見ずに、船内イベントや景色を楽しむ
実際に乗ってみて感じたのは、さんふらわあは単なる「移動手段」ではなく、「乗った瞬間から旅行が始まるエンターテインメント」だということ。 目覚めたらそこはもう九州。温泉天国・別府や、大自然が広がる鹿児島が待っています。
しっかり準備をして、快適な船旅を楽しんできてくださいね! 皆さんの「さんふらわあ」デビューが、素敵な思い出になることを願っています。

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