「関西から九州へ、安く移動したい」 そう考えたときに真っ先に候補に上がるのが、フェリー「さんふらわあ」です。
しかし、「フェリーの旅」と聞いて、どんな光景を思い浮かべますか? 広いカーペット敷きの部屋に、知らない人と並んで枕を並べる……いわゆる「雑魚寝(ざこね)」のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
「安くていいけど、知らない人の隣で寝るのは抵抗がある」 「いびきや寝相が気になって眠れないかも」
そんな不安から、フェリーの利用をためらっているあなた。実は最近、「さんふらわあの雑魚寝がなくなった」という話は聞いたことがありませんか?
「えっ、あの大広間スタイルがもうないの?」 「じゃあ一番安いプランでも個室なの?」
と気になりますよね。
結論から言うと、昔ながらの「完全な雑魚寝」スタイルは、新造船を中心にほぼ姿を消し、驚くほど快適な空間に進化していたんです!
今回は、実際にどう変わったのか、現在主流となっている客室タイプ「ツーリスト」の様子や、船内の快適性について徹底レポートします。これから船旅を計画している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
さんふらわあの「雑魚寝」がなくなったって本当?

かつてのフェリー旅行といえば、大広間に薄い毛布を敷き、見知らぬ乗客と隙間なく並んで寝る「2等客室(和室)」が一般的でした。修学旅行や合宿のような雰囲気で「これこそが船旅の醍醐味!」という声がある一方で、「プライバシーがない」「落ち着かない」というデメリットも大きかったのが事実です。
では、今の「さんふらわあ」はどうなっているのでしょうか。
昔のイメージと大違い!現在の最安値クラス「ツーリスト」とは
現在、関西~九州航路を結ぶ「さんふらわあ」の多くの船で、最安値の等級は「ツーリスト」(※さんふらわあでは「プライベートベッド」)と呼ばれています。
「名前が変わっただけで、中身は雑魚寝なんじゃないの?」と疑うことなかれ。 この「ツーリスト」こそが、「雑魚寝がなくなった」と言われる最大の理由です。
従来の「ただの広い部屋」から、以下の点が大きく進化しています。
- 一人ひとりのスペースが指定されている(早い者勝ちではない)
- 隣の人との間に「仕切り」がある
- しっかりとしたマットレスが用意されている
つまり、今のさんふらわあの最安値プランは、「雑魚寝」というよりも「開放的なドミトリー(相部屋)」に近い感覚なのです。

なぜ完全な雑魚寝(大広間)は減っているのか?
なぜ、昔ながらの雑魚寝スタイルは減ってしまったのでしょうか。背景には、旅行者のニーズの変化があります。
- プライバシー重視の傾向 昔に比べて、個人の空間を大切にする人が増えました。「安くても最低限のプライベート空間は欲しい」という声に応える形で、船内設備がアップデートされています。
- 感染症対策と清潔感 コロナなど近年の衛生意識の高まりにより、隣の人と密接して寝るスタイルは敬遠されがちになりました。顔元に仕切りを作ることで飛沫防止にもなり、心理的な安心感も高まります。
- 女性客や一人旅の増加 かつては家族連れや団体客がメインでしたが、現在は「ソロ旅」や「女子旅」での利用も増えています。セキュリティや安心感を高めることで、新しい客層を取り込んでいるのです。
このように時代の変化に敏感に反応して今の形ができたといっていいと思います。あと飛行機や新幹線などライバルとのお客さんの獲得競争に勝つためにも、このような非日常を前面に打ち出したことも要因といえるでしょう。
進化した「ツーリスト」エリアを徹底解剖!
それでは、実際に「雑魚寝がなくなった」と言われる、進化したツーリストエリアの詳細を見ていきましょう。 ここでは、大阪⇔別府航路の最新鋭船「くれない・むらさき」や、大阪⇔志布志航路の「さつま・きりしま」のツーリスト相当のエリア「プライベートベッド」を基準に紹介します。
隣の人と目が合わない?「顔部分の仕切り」とカーテンの実力

さんふらわあの「プライベートベッド」の最大の特徴は、「頭の部分にあるパーテーション(仕切り)」です。
昔の雑魚寝では、横を向くと隣の人の寝顔が目の前にある……なんてこともありましたが、今のツーリストベッドには、頭の横にしっかりとした板状の仕切りが設置されています。
これにより、寝転がったときに隣の人の視線を感じることがありません。 さらに、通路側にはカーテンが設置されている席も多く、閉めてしまえば、簡易的ながらも「自分の部屋」のような空間ができあがります。
「仕切りがあるだけで、こんなに落ち着くんだ!」と、初めて乗る人はきっと驚くはずです。
コンセント完備でスマホ充電も安心
現代の旅行に欠かせないのが、スマホの充電環境です。 昔の雑魚寝部屋では、部屋の隅にある数少ないコンセントを巡って争奪戦が起きることもありました。
しかし、進化した「プライベートベッド」には、一人ひとつのコンセント(またはUSBポート)が枕元に完備されています。 寝ている間にスマホやカメラを充電できるので、翌日の観光に向けてバッテリーの心配をする必要がありません。また、手元を照らす読書灯(ライト)もついているため、消灯後にちょっとスマホを見たり、地図を確認したりするのも快適です。

荷物置き場や貴重品ロッカーはどうなっている?
相部屋で気になるのが荷物の管理です。
- 大きな荷物: 専用の荷物棚や、スペースの隅に置く場所があります。
- 貴重品: 100円返却式のコインロッカーが更衣室や船内通路にあるほか、ツーリストの区画内にセキュリティボックスが設置されている船もあります。
スーツケースを広げるスペースも考慮されており、昔のように「荷物を枕にして抱えて寝る」必要はありません。ただし、貴重品管理だけは自己責任ですので、お風呂や食事に行く際は必ずロッカーを利用しましょう。
もっとプライバシーが欲しい人には「プライベートシングル」もおすすめ

「進化したとはいえ、やっぱり他人の気配が気になる…」 「着替えも部屋の中で済ませたい」
そんな方には、「プライベートベッド」(ツーリスト相当)より一つ上のランク「プライベートシングル」がおすすめです。
ビジネスホテル風で秘密基地感アップ
こちらは、いわゆる「ビジネスホテル」の簡易版のような形状をしたお部屋です。 入り口をロールカーテンやアコーディオンカーテンで完全に閉め切ることができます。(ただしカギは内側からしかかけられません。)
中は意外と広く、完全に外との接触を遮断できるので、着替えもブース内で可能ですし、パソコン作業をしていても光が外に漏れる心配がありません。まさに「海上の秘密基地」といった雰囲気です。
プライベートベッドとの料金差はどれくらい?
気になる料金ですが、実は最安値の「プライベートベッド」とそれほど大きな差はありません。
航路や時期(A期間~E期間など)によって変動しますが、おおよそプラス2,000円〜4,000円程度の差額でアップグレードできることが多いです。
「プラス2,000円でほぼ完全なプライベート空間と安心感が買える」と考えれば、コスパは最強クラスと言えるでしょう。 「絶対に安さ重視!」というわけでないなら、最初からこのプライベートシングルを狙うのも賢い選択です。
※2026年2月時点での情報です。現在の価格等の情報については必ず公式HPでご確認ください。
客室以外も進化!船内での過ごし方
「雑魚寝がなくなった」のは客室だけではありません。船内のパブリックスペースも、まるでホテルのように進化しています。 寝るためだけの移動手段ではなく、「移動そのものを楽しむクルーズ」へと変わっているのです。

展望大浴場やプロムナードは誰でも利用OK
「安い部屋だと、使える設備が限られるのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。 さんふらわあ自慢の「展望大浴場」は、どのクラスの乗客でも無料で利用できます。
広い湯船に浸かりながら、窓の外に広がる大海原や、明石海峡大橋のライトアップを眺める時間は格別です。朝風呂の時間帯なら、水平線から昇る朝日を拝めるチャンスも!
また、船内には広々とした「プロムナード(ロビー)」があり、ソファやテーブルが多数設置されています。 部屋が相部屋で少し窮屈に感じたら、ここで海を眺めながらお酒を飲んだり、読書をしたりと、優雅な時間を過ごすことができます。
特に最新船「くれない・むらさき」の吹き抜けアトリウムは圧巻で、ここがフェリーの中だということを忘れてしまうほどの豪華さです。
食事はバイキング形式が主流
船旅の楽しみといえば食事です。 船内レストランでは、夕食・朝食ともにバイキング形式が主流となっています。
- ご当地グルメ: 大分の「とり天」や鹿児島の「黒豚料理」など、行き先に合わせたメニューが並びます。
- お刺身: 船上ならではの新鮮な刺身が食べ放題になることも!
- チョコレートファウンテン: キッズや女性に大人気のデザートも充実。
「雑魚寝でカップラーメンをすする」というのも旅情がありますが、せっかくならレストランで豪華なディナーを楽しむのも、進化したフェリー旅の醍醐味です。 (※もちろん、節約派のために給湯室や自販機コーナーも充実しており、持ち込みの食事をとるフリースペースも用意されています)
まとめ:新しいさんふらわあは「雑魚寝」卒業で快適さが段違いだった
今回は、「さんふらわあの雑魚寝がなくなった」という噂の真相と、進化した船内の様子についてご紹介しました。
記事のポイントをまとめます。
- 完全な雑魚寝(大広間)はなくなり、仕切りのある「プライベートベッド」に。
- 客室(個室ブース)のパーテーションやカーテンにより、プライバシーが大幅に向上。
- コンセント完備で、スマホ充電の心配もなし。
- 数千円のプラスで、ホテルタイプの「プライベートシングル」も選べる。
- 大浴場やプロムナードなど、客室以外の設備も豪華で快適。
「昔の雑魚寝のイメージが強くて、なんとなく敬遠していた」 そんな方にこそ、今の新しい「さんふらわあ」に乗ってみてほしいと思います。
リーズナブルな価格はそのままに、快適性と安心感がプラスされた現代のフェリー旅。 寝ている間に目的地に到着する「移動するホテル」で、次の九州旅行を楽しんでみてはいかが(いかが)でしょうか?

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